キャンティワイン:知っておきたい3つのこと

今回はトスカーナの赤ワイン「キャンティ」について、ワイン好きが知っておくべき、3つの興味深い事実について見ていきましょう!

歴史の象徴

トスカーナの赤ワイン、キャンティDOCG が、レオナルド・ダ・ヴィンチの 「モナ・リザ」 と深く関係がある のを知っていますか?

キャンティ ワイン:知っておきたい3つのこと フィレンツェ

キャンティが 初めて歴史の文献に登場するのは1404年 のことで、トスカーナの貴族 アミーディオ・ゲラルディーニ が、シエナの商人に向けた取引文章の中に、当時のキャンティエリアで600年に渡って造られているワインについての賞賛を書き記したのが初めとされています。

また、キャンティを造り始めたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチ の描いた有名なポートレート「モナ・リザ」 のモデルとされる リサ・ゲラルディーニ( “ラ・ジョコンダ” )の遠い祖先であることも分かっています。

キャンティは、その後何世紀にも渡り、教皇や著名な一族、資産家たちの間で振舞われ、20世紀中頃からはイタリアワインの象徴として一般の食卓でも楽しまれるようになりました。

キャンティ ワイン:知っておきたい3つのこと ブドウ

キャンティの2つのスタイル

キャンティには 2つのスタイル があるのを知っていますか?

キャンティといえば、クラシコリゼルヴァ などの長期樽熟成のしっかりとした味わいのワインを思い浮かべる方が多いと思いますが、これらのスタイルはむしろ 「現代的」 なキャンティ と言えます。

キャンティ・クラシコ、キャンティ・リゼルヴァとは?

まず最初に知っておくべきなのはキャンティを保護するための組織「コンソーシアム(共同体)」についてです。

この組織はイタリア国内に複数存在していて、経験豊富なイタリア人ソムリエでも混乱してしまうことがあります。

キャンティは主に2つのコンソーシアムに分かれます。

  1. キャンティ・クラシコ DOCG
  2. キャンティ DOCG

まず、キャンティ・クラシコ DOCG は 1384年に確立されたキャンティの歴史的な地域を指します。

その後、キャンティの人気が高まるにつれてその境界が拡大し、キャンティDOCG という新しいカテゴリーが生まれました。

現在、キャンティ DOCG には、以下の 7つのサブゾーンがあります。

  • コッリ・アレティーニ
  • コッリ・フィオレンティーニ
  • コッリ・セネージ
  • コッリーネ・ピザーネ
  • モンタルバーノ
  • ルフィーナ
  • モンテスペルトリ

それぞれの規定も異なりますが、今回は特にリゼルヴァ(Riserva) に注目して説明すると、それぞれのキャンティの中にさらに細かい分類があり、収穫してから、キャンティ、またはキャンティ・クラシコとしてリリースできるまでの期間によって呼び名が変わります。

上が若い段階で、下に行くほどリリースまでの期間が長くなり、その分熟成期間を長くとらなければならないものです。

キャンティ・クラシコDOCGの分類:  

  • キャンティ・クラシコDOCG「Annata」  
  • キャンティ・クラシコDOCG「Riserva」  
  • キャンティ・クラシコDOCG「Gran Selezione」  

キャンティDOCGの分類:  

  • キャンティDOCG「Annata」  
  • キャンティDOCG「Superiore」 
  • キャンティDOCGRiserva 

このようにキャンティ・クラシコ、キャンティそれぞれに「Riserva(リゼルヴァ)」という分類が存在しています。 

そこからさらに見ていくと、

キャンティ・クラシコ DOCG リゼルヴァ:サンジョヴェーゼを 最低 80% 含み、木樽とボトルで最低24ヶ月熟成されてから販売

キャンティ DOCG リゼルヴァ:サンジョヴェーゼを 最低 70% 含み、木樽とボトルで最低24ヶ月熟成されてから販売

このように、若干の違いはありますが、リゼルヴァは熟成期間が樽とボトル合わせて最低24ヶ月と長いのが特徴で、より複雑な工程を経たしっかりとした味わいと香りのワインであることを意味します。

他の伝統的なキャンティ

さらにキャンティにはより古い、伝統的なスタイルがもう一つあります。サンジョヴェーゼ種 から造られる、比較的軽い飲み味の 赤のスパークリングワイン です。

このワインにおいては、収穫したブドウの一部を1ヶ月半ほど乾燥させ、糖分が増し、香りや風味が凝縮したところで、既にアルコール発酵されたマストに加えて二次発酵させることにより、ワインがまろやかで飲みやすくなります。

キャンティ ワイン:知っておきたい3つのこと

キャンティの生産エリア

キャンティの生産エリアがいくつあるか知っていますか?

キャンティ 地図

キャンティとは、実は フィレンツェを中心とした6つの県にまたがる広域エリア のことを指し、その中に 上述の 7つのサブエリア が存在して、それぞれ特徴の異なるキャンティワインを生産しています。

また、キャンティと似た名前の キャンティ・クラシコ というワインも近くで生産されていますが、これは キャンティとは別物の、完全に独立した生産方法で造られているワイン です。

キャンティ ワイン:知っておきたい3つのこと

生産地の中でも最もワイン造りに適していると言われているのが、フィレンツェの街を囲むように広がっているエリアですが、このフィレンツェ近郊エリアで造られるのはキャンティワイン 全体のわずか3% ほどです。

このエリアのワイナリーは見た目こそ絵葉書になりそうな美しい風景の中にある素朴なセラーに見えますが、実は最先端の革新的な技術を用いてキャンティを生産しているワイナリーが多く、レジェッロ (Reggello)  に位置する イ・セルジェンティ (I Sergenti)  もその1つになります。

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