今回はトスカーナの赤ワイン「キャンティ」について、ワイン好きが知っておくべき、3つの興味深い事実について見ていきましょう!
歴史の象徴
トスカーナの赤ワイン、キャンティDOCG が、レオナルド・ダ・ヴィンチの 「モナ・リザ」 と深く関係がある のを知っていますか?
キャンティが 初めて歴史の文献に登場するのは1404年 のことで、トスカーナの貴族 アミーディオ・ゲラルディーニ が、シエナの商人に向けた取引文章の中に、当時のキャンティエリアで600年に渡って造られているワインについての賞賛を書き記したのが初めとされています。
また、キャンティを造り始めたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチ の描いた有名なポートレート「モナ・リザ」 のモデルとされる リサ・ゲラルディーニ( “ラ・ジョコンダ” )の遠い祖先であることも分かっています。
キャンティは、その後何世紀にも渡り、教皇や著名な一族、資産家たちの間で振舞われ、20世紀中頃からはイタリアワインの象徴として一般の食卓でも楽しまれるようになりました。
キャンティの2つのスタイル
キャンティには 2つのスタイル があるのを知っていますか?
キャンティといえば、クラシコ や リゼルヴァ などの長期樽熟成のしっかりとした味わいのワインを思い浮かべる方が多いと思いますが、これらのスタイルのキャンティはむしろ 「現代的」 なキャンティ と言えます。
実はキャンティにはより古い、伝統的なスタイルがもう一つあります。
サンジョヴェーゼ種 から造られる、比較的軽い飲み味の 赤のスパークリングワイン です。
このワインにおいては、収穫したブドウの一部を1ヶ月半ほど乾燥させ、糖分が増し、香りや風味が凝縮したところで、既にアルコール発酵されたマストに加えて二次発酵させることにより、ワインがまろやかで飲みやすくなります。
キャンティの生産エリア
キャンティの生産エリアがいくつあるか知っていますか?
キャンティとは、実は フィレンツェを中心とした6つの県にまたがる広域エリア のことを指し、その中に 7つのサブエリア が存在して、それぞれ特徴の異なるキャンティワインを生産しています。また、キャンティと似た名前の キャンティ・クラシコ というワインも近くで生産されていますが、これは キャンティとは別物の、完全に独立した生産方法で造られているワイン です。
キャンティ生産地の中でも最もワイン造りに適していると言われているのが、フィレンツェの街を囲むように広がっているエリアですが、このフィレンツェ近郊エリアで造られるのはキャンティワイン 全体のわずか3% ほどです。
このエリアのワイナリーは見た目こそ絵葉書になりそうな美しい風景の中にある素朴なセラーに見えますが、実は最先端の革新的な技術を用いてキャンティを生産しているワイナリーが多く、レジェッロ (Reggello) に位置する イ・セルジェンティ (I Sergenti) もその1つです。