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ネッビオーロは、主にピエモンテ州で栽培されている黒ぶどうの一種です。世界でもその名が知られるぶどうで、長期熟成されるワインに最も適した品種の一つと言われます。
ネッビオーロの名前の由来は 「霧」 を意味する 「ネッビア」 で、ぶどうの表皮が蝋分 (ろうふん) に覆われて霧のように見えることと、ぶどうの収穫時期が遅く、ピエモンテ州の秋の風物詩である霧の出る時期と重なることが理由であると言われています。
ネッビオーロの分布とぶどうの特徴
ネッビオーロの産地として有名なのは、ピエモンテ州の Langhe (ランゲ)、Roero (ロエロ)、 Asti (アスティ)、Canavese (カナヴェーゼ) などのエリアです。また、ピエモンテ以外では隣接する ヴァッレ・ダオスタ州、ロンバルディア州の一部 でも栽培されています。
ネッビオーロのぶどうの木は、18cm になる深緑色の葉を持ち、秋になると黄色に変色し、11月中旬には落葉します。ぶどうの房は中程度の大きさで、薄く白粉で覆われたような果皮を持ち、果実は水分を多く含み、酸味と強い渋味、甘みを同時に感じます。
ネッビオーロは 比較的晩熟な種 で、10月中旬〜下旬にかけて収穫 されます。とても育ちが活発な品種ではありますが、収穫量は一定ではなく、春先の気候にとても敏感 で生産量を左右します。
ネッビオーロは高級ワインになる素晴らしいぶどうで、20年以上の長期熟成にも耐えるポテンシャルを持ちますが、生産過程での気候変化にとても敏感で、収穫量を一定に保つのが非常に難しい ことから、ピエモンテ州の中でも限られたエリアでのみ育つ希少種としての側面があります。
ネッビオーロ種で造られるワイン
カナヴェーゼ・ロッソ DOC
主に、ネッビオーロとバルベーラをブレンドし、カナヴェーゼ地方で造られる赤ワイン。
重さはあまりなく、ドライでプラムやベリーのアロマが香り高く、凝縮された果実感 に バニラや絶妙なオーク樽の感覚 もあります。
食べ合わせとしては、マグロの赤身のグリルや肉料理と安定した相性の良さがあります。
ネッビオーロ DOC
洗練されていてエレガント、軽いスパイスの効いた香り、ネッビオーロ独特の酸味と樽熟成によるタンニンがあり、非常にしっかりとした味わいを持ち、熟したブドウとバラの風味の余韻 が残ります。
脂身が多いマグロの中トロや鮒鮨、レバーや手羽先などの焼き鳥と相性抜群です。
バローロ DOCG
ネッビオーロを100%使って造られる、言わずと知れたイタリアを代表する赤ワイン。 「ワインの王様」 と表されるほど香り高く、奥深い、骨格がしっかりした重みのある味わい のワインです。
若いワインと熟成したワインで渋味や酸味に違いが現れやすく、熟成すればするほどタンニンが和らぎ、非常に複雑な風味の艶やかなワインとなります。
肉料理なら牛肉のステーキ、すき焼き、ローストビーフなど、ブルーチーズやパルミジァーノ、白トリュフなどとの相性が抜群です。
参考)バローロの魅力と楽しみ方
バルバレスコ DOCG
「ワインの女王」 と呼ばれる、ピエモンテ州を代表するもう一つの赤ワイン。ネッビオーロを使って造られ、しっかりとしたストラクチャーと酸味 を持ち、バローロに比べて、より洗練されたエレガントで柔らかな口当たりが特徴的です。
人によって、バローロより、バルバレスコの方が優れたワインであると評する専門家もいるほど、その人気は根強く、一度味わうとクセになる魅力を持っています。
基本的な食べ合わせはバローロと同じですが、ラグーのパスタなど家庭料理とも合わせやすいと言えます。
ランゲ・ロッソ DOC
ランゲ地方で獲れる 黒ぶどうをブレンドして造られる、ミディアムボディ の赤ワイン。ネッビオーロを中心にブレンドすることが多く、ブレンドされる品種により味の違いはあれ、比較的バランスの取れた安定した味わいのワインが多いです。
バローロ、バルバレスコなどに比べフルーティで果実味があり爽やかな印象です。